フーベルト ヘール社
HUBERT HERR (フーベルト社)
フーベルト社は黒い森の小さな町、トリベルグ駅近くに工房を構えています。
現社長クラウス フーベルト氏 今回日本から来た私を社長自ら案内して下さいました。
作業場の様子
フーベルト社の特徴は、独自のムーブメントと工房内の施設で全行程を行う、独立した時計工房であることかと思います。
ドイツの鳩時計は基本的には工房毎にデザインが異なりますが、内部機械や細かい部品など共有している部品も多くございます。
そんな中、完全に独立した生産システムを古き時代に築き上げ、現在でもそのスタイルで鳩時計の生産を行っている唯一のメーカーだと言えます。
工房は朝早い時間から始まり、一部の作業を除き午後3時頃には一日の作業を終えます。
私が訪れたのはお昼過ぎ、工房内ではムーブメントの組み立て作業を行っていました。
画像のムーブメントはダンステラス付のムーブメントです。特殊な工具で取り付けを行っています。
鳩時計職人さんは楽しい方が多いです。時計の調整を行っています。
別のフロアに移動すると、そこは色付けを行う彩色部門の作業部屋でした。もともと鳩時計は白木のリンデンバウムを時計の形に加工し、後から色を付けるという工程で完成します。
十分に乾燥させたあと、色のチェックをしムラが無ければ作業は完成です。
木工所
フーベルト社の木工所は本社から少しだけ離れた場所にあります。ここでは木工作業とムーブメントに必要な歯車などの生産を行っています。
この壁にかかったこの部品はなんだか分かりますか?実はこれ、彫刻モデルのテンプレートで、素材の板に印をつけるためのステンシルです。
画像のように何枚か木をネジで留め合わせ、ステンシルした外枠の部分を切り抜いていきます。
木工所の倉庫には、乾燥させたリンデンバウムの板材がストックされております。何年もかけて乾燥させ、鳩時計の素材になります。
ドイツは環境への取り組みが厳しいと聞いていましたが、市民レベルで意識が高いことを知りました。
例えば先の工程で出た端材は従業員が自由に持ち帰ることができ、自宅のストーブや暖炉で使うそうです。
単純に廃棄物にしないで利用価値を見出すことは重要なことだと思いました。
モノづくりの精神とはただ良い物を作るという事で終わってしまうのではなく、地球環境を傷つけないことまでを考えることが必要だと感じました。
フーベルト社長と記念の一枚
モダンな機械式鳩時計などにも取り組んでいる今後のフーベルト社の作品は要チェックです。
森の時計でも取り扱いを開始します。
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